ちょうど一年前に孫が生まれた。我々夫婦にとって初孫である。年齢的に言えば少々遅い初孫である。名前は『倫太朗』と言う。私は「龍之介」を推奨したが却下された。
息子夫婦が我が家に来て、お腹に子を宿したと告げられた時もそうだが、実際生まれた時も妻の喜びようは尋常ではなかった。誕生するにあたり、考えられる準備は殆ど妻と義娘とで行った。
行きつけの料理屋で作らせたオードブルとお寿司とお餅を持って長男宅を訪れた。
次男も加わり食事を済ませた後、いつの時代からかは定かではないが、慣習として今も伝えられ続けている《鏡餅を背中に背負わせる》という儀式に取り掛かった。
倫太朗はやっと伝え歩きが出来る状態であるから、無論1キロもある餅を背負って歩くことは出来ない。最初は嫌がっていたが、観念したのか背負って這い出した。
大人たちはそれを見ながら面白がって、やれ長女の時は5歩歩いただの、長男と次男は同じように這ったとか寸評をする。
開放された倫太朗は歩行器を与えられると、所狭しとばかり滑るように歩く。
一通り行事も終わったので、誕生日の御祝に近くのデパートに出かけ、倫太朗の服や靴を買い求めた。
先日の炉開きに妻も義娘も参加できなかったので、茶室《波裡庵》に立ち寄り私のお点前で《濃茶》をふるまった。その間も彼はリビングを元気良く這い回っていた。
少し慣れたのか最近は私が《抱っこ》しても泣かなくなった。彼が成人式を迎える姿を私は観ることは出来ないだろう。
無常を想う晩秋の一日だった。
初孫
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