
先日京都南座へ歌舞伎を観に行った。南座にまねきが掲げられると、都大路に師走が訪れる。そして京都人は、「そろそろお正月の準備どすなあ」と声を掛け合う。
今年の顔見世は、音羽屋さんの襲名披露公演である。いわゆる、菊之助が八代目菊五郎を、息子である丑之助が6代目菊之助を、親子そろってのおめでたい襲名披露公演である。大阪松竹座で夜の部を観たので今回は昼の部で、演目は華やかな『醍醐の花見』『一条大蔵卿』舞踊歌舞伎の『玉兎』『鷺娘』そして最後が『平家女護島・俊寛』へと舞台は展開されてゆく。
一条大蔵卿は過去には、吉右衛門・仁左衛門・勘三郎等の舞台を見たが、今回は幸四郎が演じた大蔵卿である。味のあるなかなか良い舞台だった。玉兎は菊之助が一人で踊る舞踊歌舞伎で、天才子役と言われていたが、もう子役ではなく立派な歌舞伎役者である。歌舞伎界では将来を担うなどと期待されている逸材だそうである。鷺娘は、映画国宝でも吉沢亮が演じたが、菊五郎のそれはやはり見事だった。もちろん玉三郎の鷺娘は別格であるが、その玉三郎をして踊ることはもはや無理と言わしめる舞踊で、これからは菊五郎や七之助が繋いでゆくであろうと思った。俊寛は勘九郎が演じたが、お父さんである勘三郎の俊寛とまではいかないが、涙を誘う良い出来栄えだった。何年振りかの顔見世でそれぞれに見ごたえのある素晴らしい顔見世興行だった。
私の気ままで独りよがりの歌舞伎鑑賞は当分まだまだ続きそうである。来年もこの南座に帰ってきたいと思わしめる一日だった。

何年振り?
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