経営トップが陥る病

志澤塾の講座は第二第四火曜日の月二回である。第二火曜日は多彩な専属講師の方と、最近ご縁が出来て知り合った人に、特別講師をお願いして進めている。
第四火曜日は私が行う。一年目は、拙著《ある二世経営者の挑戦》から抜粋して、様々なエピソードを織り交ぜ、私の経営や生き様に関する考え方を中心にお話しをした。
二年目からは、実務編と称して塾生の企業ごとに中期三カ年計画を立ててもらい発表をしてもらっているが、前半の30分~40分は私が使えそうな経営学書からエキスを纏めて、私の考えも加えながら講義を行なっている。
その一つに『帝王学』がある。言うまでもなく中国の古典史書である。唐の太宗皇帝をモデルにした《貞観政要》、その他《書経》、《韓非子》について半年の間お話をした。得に《貞観政要》については時間をかけて行った。
私はパナホームの社長8人とお付き合いをしてきた。現社長は1年前に志澤塾にお見えになり、食事を挟んで4時間くらい様々なお話しをした。直に接する機会はないが、雑誌やテレビ等の報道で企業のトップも知ることが出来る。
トップになれば誰でも陥る病がある。それは《裸の王様》という病である。
かく言う私もしょっちゅう罹る。特にパナホーム兵庫の社長時代は顕著だった。
社長と云う立場になると、誰もが何も言わなくなる。故に自分で考え指示し、実行に移していかなければならない。するとそこで勘違いが発生する。自分自身がとんでもなく偉大な人間だと言う錯覚に陥る。
只私は、企業のトップは《裸の王様》に陥ることを知っている。「ああ、今私は裸の王様状態だ」と、知っているものは自覚できるのである。知らないで経営を行なっているものは、自覚できない。自覚すると修正が効く。そうでないトップは意識しないのだから修正は勿論出来ない。どんどん深みに嵌っていき、取り返しが効かなくなる。悲惨な状況である。
打破する方法は二つある。一つはトップが代わる事である。今一つは、部下の諫言を聞くことである。帝王学は正しく《諫言》を聞くことに尽きる。残念なことに諫言する幹部が最近は少なく、仮に諫言したとしても耳を貸さないトップが殆どである。
会社や従業員そして顧客のことを真剣に考えるならば、幹部は諫言してほしい。トップは進退までも考えて行った、部下の諫言に真摯に耳を傾けて欲しい。
梅雨空の合間に少し呟いてみた。 

タイトルとURLをコピーしました