今年も奈良二月堂ではお水取りが始まった。正確には《修二会》と言い、3月1日から2週間執り行われる。12日の深夜には《若狭井》という井戸から、観音様にお供えするお香水をくみ上げる行事が行われるところから《お水取り》と称されるようになった。
昨年12月16日に選ばれた11名の錬行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる僧侶が、ご本尊である《十一面観世音菩薩》が安置されている本堂の中で、『天下泰平』『五穀豊穣』『万民快楽』を祈り、《五体投地》を繰り返し、人々に代わり懺悔の行を勤める。
その周りを赤々と燃やした松明が次から次へと運ばれ、火の粉を振り払う。1年間の無病息災を願い、詰めかけた見物客は火の粉を戴きながら、それぞれに感嘆の声を発する。
今年で1263回目である。一回も途切れることなく続いている。

二月堂 夜空を焦がす大松明 世界に届け平和の祈り(拙作)
亡くなった祖母が「お水取りが終われば春が来る」と言っていた言葉を思い出す。
春もまだ遠いが、地球上にもなかなか平和は訪れそうにもない。

