炉開きとは、茶人のお正月と言われており、お茶の世界では最も由緒ある行事である。五月に摘んだお茶の葉を碾き臼で挽き、茶壷の中に収めて封印する。それを十一月の良き日を選んで、(正式は亥の日にとされている)封印した茶壷からお茶を取り出し(口切りという)、招待したお客に亭主が振る舞う。本来は濃茶を練り3人でいただく作法である。しかしながら感染症がまだまだ完全に収まっていないため、波裡庵流に薄茶で今年も執り行った。
絨毯の上で善哉をいただいたのち席入りをし、お茶室でそれぞれにお茶を振舞った。退室後テーブルで亥の子餅を振舞いもういっぷくお出しした。善哉は一休和尚が最初に使用したことから始まったとされており、亥の子餅の由来は古く平安時代に光源氏も食したと言われている。
国会議員を始め信用金庫理事長、画家、公認会計士、プロゴルファー、前NHK副会長、元神戸新聞姫路支社長、イベント会社社長、パナソニック所長、各グループ企業役員幹部、今年も厳粛且つ和やかなうちに炉開きを終えることができた。
今年は紅葉が遅れそうである。祭りも終わり深まりゆく秋を愛でる心を持ち続けたいものである。