往復300キロ

ブログ

先日、法相宗大本山薬師寺の東塔落慶法要に参列した。国宝である東塔は12年の歳月をかけ、国や奈良県・その他さまざまな団体個人の結縁により大修理の末、令和2年に完成したが、コロナ禍の影響で落慶は今日まで延期され、令和5年四月に執り行われた。

厳かな舞楽の中落慶法要は始まり、式は粛々と進められて行く。家元による献茶・献華に続き、特に私の心を揺すぶったのは、観世喜正師による奉納能舞だった。能題は「卒塔婆小町」と言い、「小野小町」が100歳になり苦悩の末、仏と巡り合うという物語である。その状況に合わせて能面に、複雑に表情が変化していく様子がくみ取れる。

天武天皇が建立し以来1,300年の間、さまざまな災難に見舞われながらも今日まで受け継がれてきた。この後も多くの人たちの仏心を持って受け継がられていくことであろう。
往復300キロの旅は、快い疲れを残しながら無事山崎の地に辿り着いた。

タイトルとURLをコピーしました