私は昭和23年7月6日この世に生を受けた。現在なら何の問題もないが、生まれたとき未熟児で体重は2000キロちょっとだったらしい。当時は両親も随分心を痛めたとの事。その後すくすく育ったが、6歳の時母親と同時に肺結核を患い地元の公立病院で約半年ばかり入院生活を送った。また運悪く脳脊髄膜炎も院内で感染し生死を彷徨った。幼稚園は行くことが出来ず、小学生低学年の間は病弱体質として、体育の時間は見学者で過ごし水泳も禁止された。高学年になるとほかの児童と同じような小学生活を送った。中学時代はバレーボール部に所属し、エースアタッカーとして期待されていたが、二年の試合直前に虫垂炎を患い、腹膜炎も併発し、バレーボールを断念した。高校は地元の公立高校で文学青年を気取り三年間を過ごしたが、見事大学入試に失敗し一年間の浪人生活の末東京の大学に進学した。大学生活は一言で言うなら『怠惰』の四年間だった。今思えばよく卒業が出来たと感心している。一つだけ褒めてやりたいことは、友人に勧められて読書の楽しさを知ったことである。
大学を卒業し父の会社に勤めるようになってからはどの立場になっても、生来怠け者の自分でも驚くほどがむしゃらに仕事に取り組んだ。胃潰瘍を繰り返し患っていたが40歳の時にとうとう喀血して救急車で運ばれ2週間の入院を余儀なくされた。その時に一日50本くらい吸っていた煙草をやめた。入院を機に毎年健康診断を受けるようになった。健康診断いわゆる人間ドッグで糖尿病と診断されたが、「要観察」だったため放置していた。症状判断基準が血糖値から、HbA1cが主流になったころから投薬を受けるようになり現在に至っている。高止まりでなかなか改善しないので最近では広告で知ったサプリを服用している。まだ投薬を始めてから日が浅いので、効果のほどは分からないが、次の検診日で大体の予測は付きそうである。寒い、暑いでさぼりがちになっていたウォーキングも始めようと心に誓っている。運動はゴルフくらいである。スイミングにもジムにも通っていない。ただお風呂上りには、簡単な6種類のストレッチを15分程時間をかけて行っている。(多分にゴルフのためであるが)最近《N-NOSE》と《ペット検診》を受けた。どちらも痛くないがん検診である。幸い異状は見つからなかった。
私には心強い味方がいる。斎藤真嗣医師である。先生は、ビルゲイツ氏の主治医で世界で活躍しておられる。その先生から「香山さん、90歳になっても元気で一緒にゴルフしましょう」と言われている。心臓と脳は急を要しますのでどこででもかまいませんから定期的に検査を受けてください。それ以外の病気は全て任せてください、いつでも気軽に連絡下さい、とおっしゃってもらっている。90歳の私と先生がフェアウェイを歩いているのを胸に描きながらこれからを生きていこうと思っている。