弥生三月と云うだけでなにかしら心がウキウキした気分になる。
奈良東大寺の二月堂では《お水取り》が執り行われている。ご本尊の十一面観世音菩薩を前にして十一名の練行衆が五体を投げ打ちながら、五穀豊穣と世界平和を願い、お祈りを奉げている様子が目に浮かんでくる。
志澤塾の枝垂れ梅の蕾も膨らみ、三つ四つ花を咲かせている。甘酸っぱい香りが辺りに漂っている。
『東風吹かば にほいおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな』(菅原道真)
最近ベッドの中で「佐伯泰英」氏の《古着屋総兵衛》シリーズを読んでいる。主人公の総兵衛は、表向きは古着屋だが裏は徳川幕府開闢以来の陰の旗本で、家康から密命を受け、幕府が危険に陥ったときは、身を挺して救う役目を負っている。
主人公は剣の達人で、彼が編み出した剣法の極意が《落花流水》である。
読んで字の如く、花が落ちるが如く、水が流れるが如く、自然に逆らわない剣である。実は私が目指している《ゴルフ》の真髄がそこに在る。
今は肘を痛めてほとんど練習が出来ない状態であるが、本格的な春になり、肘が治る頃には私の《落花流水ゴルフ》も完成し、無敵になっていることであろう。
お水取りが終わる三月十四日を境に、関西に待ちに待った春が訪れる。


