記憶は定かではないが、K君から紹介を受け岡田氏と出会ってから、10年以上は経過していると思う。その間ゴルフも何回かご一緒したり、たびたび食事も重ねたり、志澤塾での講座もお願いをした。
「岡田さん、もし阪神から監督の依頼があれば受けられますか?」
「そら考えるわ、話がないことにはどうしょうもないわ。こちらからはなんも言えんしな」などと軽口を言い合ったこともあった。
それが二年前に岡田阪神が実現した。私は自分の事のように興奮したことを思い出す。一年目にして見事リーグ優勝し38年ぶりに日本一にも輝いた。名将岡田監督としての地位を確立した。私はこの二年間テレビで中継があった試合は8割以上見てきた。私は世間が言う熱狂的な阪神ファンではなったが、岡田阪神の二年間は完全に虎キチだった。終盤になって監督自身体調を崩されていたようで、残念な結果に終わり、アレンパは達成できなかったが、それでも立派な2位である。その原因は、昨年よりキャリアハイの選手が「近本」「森下」「才木」くらいで、その他の選手は伸びるどころか後退が目立った。四球も盗塁も極端に減った。
次期監督には藤川氏が就任するとのこと。たぶん私はこの2年間ほど興味を持って阪神の野球を見ないだろう。静かな阪神ファンに戻ると思う。
この時期になると何処からともなく金木犀の甘酸っぱい香りが漂ってくる。深まりゆく秋を感じる季節である。
サヨナラ《岡田阪神》もうあなたのユニフォーム姿を見ることはないと思う。
ありがとう《岡田彰布》