企業経営の目的

40歳半ばころに、企業は何のために存在するのか?企業経営の目的は?という事業運営の根幹的な事柄について考え始めた。なかなか結論が見つからないまま数年が経過した。
ある日、事業や会社経営と言ってもしょせん人間と人間の集団ではないか!人と人とが織りなすドラマではないか!と思うようになり人間とは?人間は何のためにこの世に生を受けたのか?と言う命題が浮かび上がってきた。言うまでもなく、人間は幸せになるために生まれてきたのである。では『幸せ』とは一体何か?と思考を巡らせた。
私はパナホーム兵庫の社長時代に、その年に建てて頂いたお客様のお宅を、営業マンとお礼に訪問することにしていた。もちろんお礼もだが、工事中ご迷惑をおかけすることはなかったかどうかも確認する目的もあった。営業マンとの車中の会話の中で、
「次お伺いするお宅の工事管理者は誰?」と尋ねると、西嶋だという。
「彼なら誠実だし、技術的にもしっかりしているから、お客様もご満足しておられるだろう」と言うと、
「はい、もちろんそうですけど、でもね、工事中に打ち合わせの日について、西嶋さん、気が進まないことがあって聞いてみたら、子供の運動会の日と重なっていたらしいです。仕事優先ですよね」と言った。私は、
「それは違う。運動会が優先だ」と言い返した。営業マンは私の答えが意外だったのか、怪訝そうな顔をしていた。私は日ごろから西嶋君が家族思いで、車の免許証の中に子供の写真を入れて持ち歩いているのを知っていた。だから西嶋君にとって幸せとは?家族なのである。
翌年の初出式の席上で私は、企業経営の最終目的は《幸せの追求》であると宣言し、その幸せとは?《西嶋の運動会》であると定義づけたのである。すなわち、それぞれの価値観に委ねる、と説いた。《西嶋の運動会》は我々グループの共通言語として今も生き続けていると信じている。
AIの進歩は目覚ましく、人間の脳を今や超越しようとしている。IOTなくして生活は成り立たなくなってきた。
それでも私は思う。人間の叡智を信じる。

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