家族

家族とは?について考えてみた。ほかの家族の事はわからないので、自分の家族について考えてみることにした。
先ず長女であるが、今はウィーンに住んでいる。少女時代に合唱団に加わり、発表会の席上でオペレッタを演じ、たまたま主役を任されたのがきっかけで声楽の道へと進んでいった。我々夫婦は音楽のことは全く無知で何一つアドバイスは出来ず、彼女自身が考え行動していくのを見守ることしかできなかった。岡山の大学からドイツに渡り、語学を学びながら声楽家を目指し、ウィーンに移住したのである。最初のうちはいろいろとオーディションを受けたりしていたが、外国で日本人が認められるのは余程卓越した実力がなければ難しい。現在はウィーンの旅行社の正社員として、持ち前の明るさと語学力で重宝されているらしい。時々はミニコンサート的なものも開催している。年に一回くらい帰省している。
長男はグループの中で最も重要な企業の経営を執り行っている。私なりに順序を踏まえて今の立場につかせたと思っているが、私から見れば物足りないところが数多くある。それは承知で任せたのであるから、よほどのことがない限り口出しはしない。相談にはいつでも優先的に時間を割いて乗っている。私には考えられないほど楽天家である。私の経営は、常に最悪の状態を想定して行ってきたが、彼はその辺りはどうかはわからない。
次男はグループの中で最もしんどい企業の経営を担当している。一年半前に彼の希望でその立場になったのであるが、現実は自分が描いていた実態とは大きくかけ離れていて苦戦している。物心両面から出来る限りの援助をしているが、最後は自分自身で乗り切ってほしいと心から願っている。喜ばしいことがあった。今年の五月に彼は結婚したのである。披露宴はまだであるが、我々夫婦、特に家内の喜びはひとしおだった。
さて家内の事である。細かなことはさておいて、彼女には何一つ文句の付けようがない。私が曲がりなりにも経営者としてここまでやってこられたのは彼女の理解があったからであると、心底思っている。23歳で結婚し、もうすぐ金婚式を迎える。二人ともアニバーサリーをそれほど重要視しないタイプだから、多分何事もなく過ぎていくと思う。
そろそろ結論である。家族とは?それは《空気》のような存在である。

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