この際はっきりさせておこう。
花のうちで最も好きなのは《都忘れ》あの可憐さはどの花も及ばない。
次が《枝垂れ梅》
三番目が《木瓜の花》
四番目が《トルコ桔梗》五番目が《水仙》
我が母校中央大学に入学したときに、『落研(落語研究会)』のサークルに入ろうと思いそのバザーを探していると、今まで見たこともないセンスの良い美人に声をかけられて入部したのが華道部だった。それがお花との出会いになった。流派は草月流。4年間それなりに楽しみ卒業を迎えた。因みに声をかけてくれた女性の名は今でも覚えている。《江橋珠子》という女性だった。唯一の思い出は、大学の学園祭の催しで「50キロメートルナイトラリー」に出場したときに、彼女が住んでいる中野区を通過するのであるが
「香山君、中野のチェックポイントでおにぎりを差し入れするからね」と言って差し入れしてもらった。鮮明に覚えている55年以上も昔の淡い思い出である。関東華道界連盟が主催する華展に出品した時に生けたのが、木瓜の花に都忘れをあしらえた《二種生け》だった。時は過ぎ、大学を卒業しパナホームの経営を担当するようになり、少し余裕が出始めたころお華を本格的に習いたくなり、週一度の割合で会社へ先生に来てもらい、希望する社員と共にお稽古を始めた。流派は池坊。15年近く続いたと記憶している。
先日、我が庭先に目をやると水仙の花が咲いていた。そういえば池坊における、生花、水仙の一種生けを、生けてみたくなった。