パリオリンピック総括

様々に取り沙汰された《パリオリンピック》は17日間の熱戦を終え閉幕した。セーヌ川の汚染・女子ボクシングの性別問題・柔道の審判・初めての競技ブレイキン・ウクライナ侵攻等々いろいろと課題はあったが、それは次回ロス大会に持ち送るとして、日本選手の活躍を中心に記してみる。
先ず特筆したいのは、男女併せてレスリングの大躍進である。樋口・清岡・文田・日下(男子)藤波・櫻井・元木・鏡(女子)の金メダル。続いてメダリスト高谷・須崎・尾崎。特に目を引いたのは藤波選手である。圧倒的な強さで勝利し公式戦137連勝である。まだ若干二十歳のお嬢さん。吉田、伊調選手の再来を思わせる。
続いて柔道。詩ちゃんは柔道の怖さを知らされた瞬間だった。阿部一二三にはロスでの三連覇を期待してしまう。粘り強い永瀬。素晴らしい切れ味の巴投げで金メダルを奪い取った角田選手。村尾・永山・船久保・橋本の頑張りも称賛に値する。ただ課題はある。柔道人口はいま日本では12万人くらいで、一方フランスの柔道人口は54万人だそうだ。その結果として団体戦では2連敗している。今一度考えなければならない。
今や日本はフェンシング王国である。加納選手個人・フルーレ団体の金メダルに続いて、男子エペ・女子フルーレ・女子サーブル。ひと昔前なら考えられない出来事である。太田選手の活躍が今の日本のフェンシングの強さに繋がっている。
体操女子は開幕寸前に不祥事が発覚し少し残念だったが、男子は素晴らしかった。特に岡選手は初出場で、しかも20という年齢であの結果は驚かされた。事実私は彼の存在さえ知らなかった。
スケートボードの吉沢恋ちゃんには驚かされた。年齢は14歳で中学生。もう天才としか言いようがない。堀米君も東京に次ぐ二連覇。赤間選手・開選手も立派な銀メダル。スケートボードは日本のお家芸になりつつある。今後もしっかり業界そして国も一緒になって支えていってほしい。
今回初のオリンピック競技として採用さえたブレイキング女子の湯浅AMIは、初代チャンピオンに輝いた。これからも精進してほしい。
卓球女子は素晴らしかった。団体銀。個人早田は銅。しかしながら中国の背中さえ見えないほどの差を感じた。研究してほしい。一方バドミントンは桃田を欠いてからは残念な結果が続いている。混合ダブルス《ワタガシ》女子ダブルス《シダマツ》ペアは褒めてあげたい。セーリングでは混合470級での銀は立派である。
最も驚いたのは、近代五種での佐藤選手の銀。馬術の銅。過去はいづれも参加するだけの種目で入賞さえ私の記憶にない種目である。聞くところによると海外に拠点を移して研鑽に励んだとのこと。
興奮したのは男子飛び込みの玉井選手である。本人も語っていたが、これを機にさらなる応援をしてほしいと。彼はまだ若干17歳である。将来楽しみであると同時に後継者が現れることを期待する。
ゴルフを愛する者にとって松山選手の銅はやはり嬉しかった。それにしても山下美夢有が16番で池にはめてからは見ることが出来なかった。メダルを取らせてやりたかった。
クライミングの安楽選手の銀もよかった。まだまだ若い。17歳だそうだ。大いに期待する。
だらしなかったのは競泳陣。松下の銀一つ。推測するに、絶対競泳協会がばらばらで選手が育つ環境にはなかったのでは、と。根本的に立て直しロス、さらにその先を見据えて取り組まなければこの自堕落な状態は解決しないと思う。強く提言しておく。
メダルには届かなかったが、女子マラソンの鈴木優花選手の頑張りには拍手を送りたい。
私が最も嬉しく感動したのは、やり投げの《北口選手》の金メダルである。どうしても取らせてあげたかった。拠点をチェコに移してひたすらに努力と研究を重ねた結果の金である。おめでとう。心から祝福する。

時差の関係上なかなかライブで見る機会が少なかったが、何年か前にパリを訪れた時の風景が目に浮かんで、楽しく観戦することができた。ルーブル・エッフェル塔・シャンゼリー通り・オペラ座・凱旋門・等々数え上げればきりがない。また行きたくなっている。3年前聖火ランナーを務めた思い出を秘めて、、、、

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