我が愛しの君へ

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立春も過ぎ、暦の上では春ですが、こちらはまだまだ寒い日が続いております。
あなたが逝ってから早いもので49日が経過しようとしています。7日毎に私とお母さんは読経をしていますが、それももう1回で終わりです。だんだんあなたが遠くなっていくようで少し寂しい気になっています。
炬燵の中に投げ出した私の足を枕に、あなたが眠っているような気配を感じて覗いたことも何度かありました。お葬式を終えてすぐにキャッツタワーは取っ払いましたが、それに寝そべって名前を呼んでも振り向こうとしなかったあなたを思い出します。それでも名前を呼び続けると、うざったそうに薄目を開け、私があなたの名前を呼ぶテンポに合わせ尻尾を振ってくれましたね。『クロちゃん』と短く呼ぶと、長いツヤの良い綺麗な尻尾を素早く振り、『ク~ロちゃん』と長めに呼ぶとゆっくり振り、それに飽きてくると大きく伸びをしてトントンと小気味よくタワーから降りてきて、気が向けば私の膝の上に丸くなって座り、気が向かなければ2階に上がっていきました。
ガレージに車を入れるやいなや、居間のドアの内で私が入ってくるのを待っており、いわゆる猫なで声で《にあ~お、まあ~お》と纏わりつき『イリコ』をねだりましたね。ネクタイを緩めるまもなく『イリコ』をあげると、満足そうに平らげ、また元の居場所に帰っていきました。
箱入り娘として一歩も外に出さないように育てていましたが、私たちの一瞬の隙を突いて、あなたは3回家出をしました。その度ごとに私たちは懐中電気をかざし、半泣きになりながら夜中まで探し続けました。1回は裏の雑草の中に、もう1回は隣の倉庫の床下に、残りの1回は未だに謎ですが2階から何食わぬ顔をして降りてきました。私たち夫婦は代わる代わる抱きしめました。
隣家から迷いネコを貰い受けたのですが、私たちは勿論あなたも香山家の家族としてこの9年間を暮らしてきました。決して長い時間ではありませんでしたが、中身の濃い時を過ごしたと思っています。
我が最愛の君へ。
あなたは私が生き続ける間、私の心から消えることはないでしょう。
時々は逢いに来てね、夢の中でも、現の中でもいいですから。
ひとまずはお別れです。さようなら、元気でね、私がそちらに行っても無視しないでね。
私の携帯の待ち受け画面はまだあなたのままです…

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