築地本願寺

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先日野暮用で上京した。時間に少し余裕が出来たので築地本願寺を訪れた。3年前に不慮の事故で亡くなった、私の大親友でもあり尊敬する土方公二氏が埋葬されている菩提を弔うためである。
人間は誰かに認めてもらうために生きているのである。いわゆる承認欲求と言う代物である。彼とは高校が同じでそこで知り合ったのであるが、彼は学年一の秀才で京都大学に入学した後、日産自動車に就職した。晩年体調を崩したが、いろいろと研究の末健康を取り戻し、そのころ俳句と巡り合い、めきめきとその才能を開花させ、『帰燕抄』と言う素晴らしい句集を上梓した。
彼は唯一私を承認してくれた大恩人である。今日まで何とかやってこられたのは彼のおかげである。
「香山、なんて素晴らしい生きざまなんだ。俺はお前を心から尊敬する」と言ってくれた。
彼は奥様と旅行中に不慮の事故で亡くなった。葬式には諸事情で参列することは叶わなかったが49日の法要には出席した。法要は築地本願寺で執り行われた。その時ご家族から、彼が生前にこの築地本願寺に合同墓を建立していたことを知り、案内していただいた。本人と奥様とご長男の名前が列記されている。
彼のやさしさが窺える。私はその刻まれた合同墓に静かに手を合わせた。彼が微笑んでいるようだった。
《香山、もう少し生きろよ》と言ってくれた。

~父母に 永遠の帰省子 稲の花~
~帰燕抄~より私の好きな句

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